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【マネージャー必見】なぜ、あなたのチームは疲弊する?「論破」をやめ「傾聴」で生産性を劇的に上げる方法





「なるほど、でもそれってデータあるんですか?」

「その意見は、先日の決定と矛盾してませんか?」

活発な議論を目指した会議が、いつの間にか「論破大会」になっていた。そんな経験はありませんか?

正しいことを言っているはずなのに、なぜかチームは盛り上がらない。むしろ、会議が終わるとドッと疲れが襲ってくる。発言するのはいつも同じメンバーで、若手や物静かなメンバーは最初から諦めたように黙り込んでいる…。

もし、あなたのチームにこんな空気が流れているとしたら、それは個々の能力の問題ではなく、コミュニケーションのスタイルに原因があるのかもしれません。かつての私も、ロジックと正しさでチームを動かそうとし、同じ壁にぶつかりました。しかし、ある一つのスキルを意識したことで、チームは劇的に変わったのです。

それが、相手を言い負かさない「傾聴力」でした。

この記事では、なぜ「論破」がチームを疲弊させ生産性を下げるのか、そして「傾聴」がいかにしてチームメンバーの主体性を引き出し、生産性を最大化させるのかを、私自身が現場で効果を実感した具体的な方法と共にお伝えします。

なぜ「論破」はチームの生産性を下げるのか?

結論から言えば、論破は、チームの土台である「心理的安全性」を根こそぎ破壊する行為だからです。心理的安全性とは、「このチームなら、どんな意見を言っても、失敗しても、非難されることはない」とメンバーが信じられる状態のこと。これが失われると、チームは以下のような深刻なデメリットを被ります。

1. 失敗を恐れ、挑戦しなくなる

一度でも自分の意見を頭ごなしに否定されたり、欠点を厳しく指摘されたりした経験は、強力なブレーキになります。「言っても無駄だ」「また否定されるかもしれない」という空気が蔓延し、誰も新しいアイデアや改善案を口にしなくなります。結果、チームは現状維持に甘んじ、成長が止まってしまうのです。

2. 発言者が固定化し、多様な意見が消える

会議で声が大きいのは、論理武装が得意な人や、役職が上の人だけ。他のメンバーは「どうせ言っても勝てない」と沈黙を選ぶようになります。しかし、イノベーションの種は、時として未熟で突飛なアイデアの中に隠れているものです。多様な視点が失われたチームは、変化に対応できず、いずれ大きな問題を抱えることになります。

3. メンバーの当事者意識が低下する

自分の意見が尊重されないと感じたメンバーは、徐々に「自分はその他大勢だ」「言われたことだけやればいい」と考えるようになります。これは、指示待ち人間の集団を生み出す最悪のサイクルです。当事者意識がなければ、仕事の質は上がらず、誰かがミスをしても「自分の責任ではない」と考えるようになります。

4. 人間関係が悪化し、協力体制が崩れる

議論が白熱すると、いつの間にか意見への反論が、発言者本人への攻撃のように感じられることがあります。「Aさんの案 vs Bさんの案」だったはずが、「Aさん vs Bさん」という対立構造になってしまうのです。このような個人的な対立は、普段の業務における協力体制をも蝕んでいきます。

生産性を最大化する「傾聴力」5つのメリット

では、「論破」の代わりに「傾聴」を実践すると、チームはどう変わるのでしょうか。私が実際に見てきた変化は、想像以上のものでした。

  • 1

    心理的安全性が高まり「本音」と「アイデア」を引き出せるリーダーがまず相手の話を最後まで真摯に聴く姿勢を見せることで、「この人には何を言っても大丈夫だ」という安心感が生まれます。すると、メンバーは遠慮なく本音や、まだ粗削りなアイデアを口にするようになります。
  • 2

    メンバーの当事者意識とモチベーションが向上する「自分の意見を、リーダーが真剣に聞いてくれた」。この経験は、どんな評価制度よりも強力にメンバーの自己肯定感を高めます。「自分もこのチームの重要な一員なんだ」と感じることで、プロジェクトへの責任感と貢献意欲が自然と湧き上がってくるのです。
  • 3

    深い信頼関係が構築され、チームの結束力が高まる互いの意見を尊重し、理解しようと努める文化は、チーム内に強固な信頼関係を育みます。この信頼関係こそが、困難な状況を乗り越えるチームの原動力となります。
  • 4

    認識のズレを防ぎ、手戻りを減らせる相手の話を深く聞くことで、「なぜ、そう考えるのか?」という背景や意図まで正確に理解できます。これにより、指示の誤解や目的のズレがなくなり、無駄な手戻りや修正作業が劇的に減少します。
  • 5

    イノベーションが生まれやすくなる一見、自分の考えと正反対の意見が出たときこそ、チャンスです。それを「間違っている」と切り捨てるのではなく、深く傾聴することで、自分にはなかった視点が見えてきます。

明日から実践!論破しない「傾聴」3つのステップ

「傾聴が重要なのはわかった。でも、具体的にどうすれば?」と感じるかもしれません。難しく考える必要はありません。まずは以下の3つのステップを、次の会議や1on1で意識してみてください。

ステップ1:最後まで「聴き切る」姿勢を見せる

相手が話している間は、自分の反論や意見を頭の中で組み立てるのをやめてみましょう。ただ、相手が「何を伝えたいのか」「何を感じているのか」に100%集中するのです。話の途中で口を挟みたくなっても、ぐっとこらえる。そして、少し大げさなくらいに頷いたり、「なるほど」「ええ」と相槌を打ったりする。これだけで、相手は「聞いてもらえている」と安心して、より深く話してくれるようになります。

ステップ2:相手の意図を要約し、確認する

相手の話が一通り終わったら、すぐに自分の意見を言うのではなく、まず「つまり、〇〇というご意見で合っていますか?」「一番懸念されているのは、△△という点だという理解でよろしいでしょうか?」と、自分の言葉で要約して確認します。これは、自分の解釈が正しいかを検証し、認識のズレを防ぐためです。この一手間が、後の議論が噛み合わなくなるのを防いでくれます。

ステップ3:まず共感・理解を示してから、自分の意見を伝える

相手の意見に同意できない場合でも、いきなり「でも」「しかし」と始めるのはNGです。これは相手に「NO」を突きつけるサインであり、心を閉ざさせてしまいます。

【NG例】

「でも、そのやり方は非効率ですよ」

【OK例】

「なるほど、コストを抑えたいという視点は非常に重要ですね。その上で、私はスピードも考慮して、△△という方法も有効ではないかと考えました。」

このように、まずは相手の意見や感情の一部分でもいいので肯定的に受け止めるのです。このワンクッションがあるだけで、相手はあなたの意見を聞く態勢を整えてくれます。そして、主語を「You(あなたは)」ではなく「I(私は)」にして伝えることで、断定ではなく、あくまで一つの意見としてソフトに届けることができます。

まとめ:チームの未来は「論破」ではなく「傾聴」が創る

チームを率いるリーダーにとって、論理的思考力や決断力はもちろん重要です。しかし、それ以上にチームの土台を創り、メンバー一人ひとりの力を最大限に引き出すのが「傾聴力」です。

論破は、一瞬の勝利と引き換えに、チームの未来の可能性を奪います。
傾聴は、時間はかかっても、チームに信頼と主体性を育み、持続的な成長をもたらします。

もしあなたが今、チームの停滞感に悩んでいるのなら、まずは次の会議で、たった一人でいいので、メンバーの話を最後まで黙って聴き切ることから始めてみませんか?

その小さな一歩が、あなたのチームを大きく変えるきっかけになるはずです。


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