あなたの仕事が劇的に変わるブログ

凡人でも結果は出せる 〜14年間、実践してきた実体験に基づいた仕事術〜


無駄な会議を撲滅する「アジェンダ」の作り方とファシリテーション術


「またこの会議か…」「今日の会議、何が決まるんだろう」。

週の初め、カレンダーに並んだ会議の予定を見て、ため息をついた経験はありませんか? 目的が曖昧なまま始まり、一部の人だけが話し、時間だけが過ぎていく。そんな「無駄な会議」は、私たちの貴重な時間とエネルギーを奪う大きな要因です。私自身、過去には数多くの非生産的な会議に悩まされてきました。しかし、ある時から「アジェンダ(議題)」と「ファシリテーション(進行術)」の2つを徹底的に見直したことで、会議の質は劇的に改善しました。今では、会議は「時間を奪われるもの」から「物事を前に進めるための最短ルート」に変わっています。この記事では、私が様々な情報を比較検討し、実践して本当に効果があったと感じている「無駄な会議を撲滅するためのアジェンダの作り方とファシリテーション術」を、具体的な経験を交えながらご紹介します。

なぜ、あなたの会社の会議は「無駄」になってしまうのか?

効果的な対策を講じる前に、まずはなぜ無駄な会議が生まれるのか、その根本原因を考えてみましょう。私がこれまで見てきた中で、特に共通していた原因は以下の5つです。

1. 会議の「目的」と「ゴール」が不明確

「情報共有」という名の、ただの進捗報告会になっていませんか?「何のために集まり(目的)、会議が終わった時にどんな状態になってれば成功なのか(ゴール)」が曖昧なままでは、議論は必ず迷子になります。

2. 機能しないアジェンダ、またはアジェンダ不在

アジェンダがないのは論外ですが、議題が「〇〇について」のような曖昧な書き方になっているのも問題です。これでは参加者は何を準備すればいいか分からず、その場でゼロから思考を始めることになります。

3. 参加者の役割が曖昧

誰が今日の意思決定者で、誰が意見を出す役割なのか。参加者全員が「その他大勢」の意識でいると、発言は特定の人に偏り、多様な意見は出てきません。

4. 議論がすぐに脱線する

活発な議論は素晴らしいことですが、気づけば本題と全く違う話で盛り上がっている…というのはよくある光景です。進行役がいない、もしくは機能していないと、貴重な時間は雑談に消えていきます。

5. 時間管理の欠如

「1時間の予定だったのに、気づけば30分も延長している…」。これは、議題ごとの時間配分が決まっていないからです。重要な議題に時間をかけられず、どうでもいい話で時間を消費してしまいます。

これらの原因のほとんどは、会議の「設計図」であるアジェンダをしっかりと作り込むことで解決できます。

会議の生産性はここで決まる!最強アジェンダの作り方 5ステップ

私が試行錯誤の末にたどり着いた、最も効果的なアジェンダの作り方は、以下の5つのステップです。これは単なる議題リストではなく、会議を成功に導くための「脚本」だと考えてください。

ステップ1:会議の「目的」と「ゴール」を1行で書く

これが最も重要です。アジェンダの冒頭に、この会議が「何のため」で「何を決めるのか」を明確に記載します。私が特に意識しているのは、ゴールを「~を決定する」「~の合意を得る」といった具体的な「状態」で書くことです。

良くない例 ✕

目的:新機能の件

良い例 ✓

目的: 次期バージョンの新機能について、開発要件を固めるため
ゴール: 搭載する3つの機能(A, B, C)の優先順位を決定する

ゴールが明確になるだけで、参加者の意識は「議論すること」から「決めること」へとシフトします。

ステップ2:ゴール達成に必要な「議題」を洗い出す

設定したゴールから逆算し、そこに至るまでに議論・確認すべきことを具体的な議題として書き出します。

(例)

  • 1. 各機能案の概要共有(5分)
  • 2. 各機能のメリット・デメリット、開発工数の確認(15分)
  • 3. 優先順位付けの議論(20分)
  • 4. 最終決定とネクストアクションの確認(5分)

ステップ3:各議題の「時間配分」と「担当者」を決める

各議題に「時間」と「担当者(メインで話す人)」を割り振ります。これをやる最大のメリットは、参加者全員に当事者意識が芽生えることです。自分が担当する議題があれば、自然と準備の質も上がります。時間配分は、タイマーで厳密に測るくらいが丁度いい緊張感を生みます。

ステップ4:参加者に求める「事前準備」を明記する

「この会議を有意義なものにするために、ご協力ください」というスタンスで、参加者に読んでおいてほしい資料や、考えてきてほしいことを具体的に書きます。

良くない例 ✕

資料を読んでおくこと

良い例 ✓

添付資料「新機能比較.pdf」のP.3~P.5を読み、どの機能が最も顧客価値が高いと思うか、ご自身の意見をまとめておいてください。

これにより、会議の冒頭から質の高い議論をスタートできます。

ステップ5:会議の24時間前までには必ず共有する

完成したアジェンダは、遅くとも会議の前日までには参加者全員に共有します。これにより、参加者は心と頭の準備をする時間ができ、会議へのコミットメントが高まります。

▼ コピペで使える!アジェンダテンプレート

会議名: 〇〇プロジェクト定例会議

日時: 2025年10月14日(火) 10:00~11:00

場所: 第3会議室 / オンラインURL

参加者: 〇〇、△△、□□


■本日の会議の目的:

次期バージョンの新機能について、開発要件を固めるため

■本日の会議のゴール:

搭載する3つの機能(A, B, C)の優先順位を決定する

■事前準備のお願い:

添付資料「新機能比較.pdf」のP.3~P.5を読み、どの機能が最も顧客価値が高いと思うか、ご自身の意見をまとめておいてください。


■議題(アジェンダ):

No. 議題 時間 担当者
1 各機能案の概要共有 5分 〇〇
2 各機能のメリット・デメリット、開発工数の確認 15分 〇〇
3 優先順位付けの議論 20分 全員
4 最終決定 10分 △△
5 ネクストアクションと担当者の確認 5分 全員

会議を成功に導くファシリテーション術 3つのコツ

完璧なアジェンダ(脚本)があっても、会議を円滑に進めるファシリテーター(監督)がいなければ意味がありません。私が特に重要だと感じている、進行のコツを3つご紹介します。

  • 1

    【開始時】場の設定と目的の再確認

    会議が始まったら、まずアジェンダを参加者全員で確認し、「今日のゴールは〇〇です」と声に出して宣言します。これにより、参加者の意識がゴールに向かって統一されます。また、「意見を否定しない」「時間厳守」といった簡単なグランドルールを確認するのも、心理的安全性を高める上で非常に効果的です。

  • 2

    【会議中】タイムキープと議論の交通整理

    ファシリテーターの最も重要な役割は、議論の交通整理です。話が脱線しそうになったら、「その話も非常に興味深いですが、一度ゴール達成のために議題〇〇に戻りましょう」と勇気をもって軌道修正します。また、意見が特定の人に偏らないよう、「△△さんはこの件についてどう思われますか?」と、発言が少ない人に優しく話を振ることを意識しています。

  • 3

    【終了時】決定事項とネクストアクションの確認

    会議の最後5分は、必ず「まとめ」の時間とします。「今日の会議で決まったことはAとBです。そして、そのためにCさんがDをEの期限までに行います」というように、「決定事項」と「誰が・何を・いつまでにやるのか(ネクストアクション)」を全員の前で復唱し、合意を取ります。これをやらない会議は、ただの雑談で終わったのと同じです。

【応用編】オンライン会議で特に意識したいポイント

オンライン会議では、対面以上にファシリテーターの役割が重要になります。私が特に意識しているのは、「意図的な巻き込み」です。

  • リアクションを促す: 「この意見に賛成の方は、いいねボタンを押してください」
  • チャットを活用する: 「質問や補足はチャットに書き込んでください」
  • 名指しで意見を求める: 「画面オフの方も多いので、〇〇さん、今の点いかがですか?」

少し過剰なくらいに双方向性を意識することで、オンライン特有の「受け身の姿勢」を防ぐことができます。

まとめ:無駄な会議を撲滅し、創造的な時間を取り戻そう

無駄な会議は、個人の努力だけではなかなかなくなりません。しかし、今回ご紹介した「ゴール志向のアジェンダ」と「交通整理としてのファシリテーション」という2つの武器があれば、あなたのチームの会議は必ず変わります。

最初は少し手間に感じるかもしれません。しかし、一度このやり方が文化として根付けば、会議の時間は短縮され、意思決定の質は上がり、何より「会議って疲れる…」というネガティブな感情がなくなります。

ぜひ、次回の会議から、この記事を参考にアジェンダを作ってみてください。失われた時間を取り戻し、本来あなたが集中すべき創造的な仕事に時間を使えるようになるはずです。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


PAGE TOP